JPPhDSeikimatsuの日記

大学院生(PhD)

研究と教育、クソ

学費を払って大学に通っていて、教授の知識や見聞を分け与えてもらう、そんな素晴らしい教育を受けている大学生および大学院生はどのくらいの割合でいるのだろうか。

 

研究室の学生を教授の給料からアルバイトのような形で雇い、実験やデータまとめといった研究活動にお金を払っているといった研究室が実際に存在する。これが一体どう言うシステムなのか、詳細に私は分からない。

 

今日その研究室に所属する学生から話を聞いた。胸糞すぎる。

 

今年度から先生の研究を遂行するにあたりバイト代を貰いながら研究を進めてきた。しかし学生の進み具合が遅く、先生は時間が経つごとにキレ散らかしはじめ、「お金払ってるんだからちゃんとしろ」というような脅し文句で定期的にメールを送ってくる。自分(先生)の研究を遂行するにあたりその実験が確実に必要、そのデータはその学生の卒業論文乃至修士論文の内容になるからwin-winでしっかりやれと、しまいには「早くデータを提出しないと解雇するぞ」と。そんなこんなでその学生はもう先生の顔も見たくない、研究なんか楽しくない、元々感じてはいたがやはり研究室や先生と肌身が合わない、退学まで考えている、と言っていた。

 

なんてクソから始まりクソで終わる話だろうか。

 

YouTubeの人気チャンネル虎、タイガーファンディングの何たらかんたらで宮大工になりたい男の子の育成塾に通うお金がなく、塾の先生が貸したり立て替えたりするよ、と言うも、男の子の母親が「お金を払って塾に通わせている、塾自体もお金をもらって寺などの建造物を直す仕事をしている、そこから塾生がお金を借りたら変な話になる。」と辞退したそうだが、これは私にも想像ができないよくできた人間にしか創造できない価値観であるし、至極真っ当でお母様の信念や子供を想う気持ち、その他諸々の愛情を感じ、私が自分自身の卑しさにも気づいた貴重な発言であった。

 

それに比べて(比べるのも失礼であるが)、今回の話、ちゃんちゃらおかしい。学生は授業料を数十万払い、4年生までは自分で単位を取りつつ自身の学びを深めていたものの、研究室に配属されてからは先生の言いなりになり、それでバイト代をもらうと。その生活の一体何が楽しいのか。

 

研究とはそもそも学生の知的好奇心や探究力をふんだんに活用し、テーマ自体は研究室の先生から与えられるものだとしても、どう目的を達成するか試行錯誤し、失敗を繰り返して同僚や先輩、先生の意見を仰いで1年、2年、3年と奮闘した結果、卒業するときに膨大な達成感が得られるものなのではないかと私は思っている。バイト代をもらうことを非難している訳では決してない(少し非難の気持ちがある)が、たかが月1~5万円のお金を、先生の給料が差し引かれる訳でもない研究費や外部資金から出して、「お金を出しているんだからしっかりやれ」の一体どこが、大学での研究活動を一生懸命やっていることになるのか。満足しているのはその先生だけであり、学生が本当に幸せかどうかまで考えられている行動とは到底思えない。

 

そんなこんなでアカハラのような状態(しかも怒り文句は「バイト代出しているんだぞ」)が続いている学生当人は落ち込んでおり、「なぜこんなことになってしまったのか」「研究ってこんなはずじゃなかった」「研究嫌い」などネガティブ発言マックスの状態にある。どうしてくれるんだ。日本人の理系・研究者に良いイメージを抱かない人間がまた増えた。ほらほら。もう最悪だ。

 

やっぱり大学での研究は、クソ、いいことなんかひとつもない。

人生、いいこともあれば悪いこともあるなんてうるさい。

大学での研究活動は良いことだけあれよ。クソッタレ